“勉強が嫌いであった私は、中学校を出てすぐに就職しました。とはいっても、目的意識もなく、いまから思えばバイト感覚での就職でしかなかったと思っています。ただ、職場の人との会話の中で、やはり高校卒業の資格がほしいなと思うようになってきました。そこで、20代半ばで通信制高校に通うことにしました。当然のことかもしれませんが、年代の幅広いのには驚きました。10代から70代までがいたのですから。普通の高校に通っていれば、こういった上の年代人との交流なんてできなかったことでしょう。そういった意味でも、通信制高校を選んだメリットがありました。特に、最高齢の人からは、戦時中の食べ物に苦労した話や空襲逃げ回った話を聞いて、本当に生きた勉強をさせてもらいました。お金を出してもできない経験でした。 ただ、私が通っていた学校だけかもしれませんが、入学して1年もたつと、生徒の数は半分ほどになっていたのです。週1回の登校が必要でしたが、それも人によっては大きな負担になったのかもしれません。
それだけに、通信制高校の課程を終えて卒業したときの感動は今でも忘れられません。