自閉症スペクトル障害(アスペルガー症候群・広汎性発達障害)とは

自閉症とはWHO及びアメリカの精神医学会が正式な診断名として採用している発達障害です。広汎性発達障害は8つの分野に分かれており、アスペルガー症候群、自閉症(小児自閉症)、非定型自閉症、トゥレット症候群とこの診断だけでも大幅に特徴が変わってきます。子どものころに自閉症と診断されても、自我が芽生えるにつれ経過と症状で、その後にアスペルガー症候群や非定型自閉症などに分かれてきます。広汎性発達障害はこれらを全てまとめた一つの大まかな名前、と捉えるといいでしょう。まだ日本ではこの言葉があまり知られておらず、診断をくだされてもどう対処したらいいのか分からない保護者の方も大勢いるようです。自閉症スペクトル障害とは、自閉症をある、なしの白と黒に分けることではなく、どの程度、自閉症の症状があるのかに視点を置いています。典型的である極端な症状(カレンダーや読んだ本を丸暗記してしまうような能力)と軽症の症状でバランスをはかり、どちらのタイプなのかを診断する状態が自閉症スペクトル障害と言えるでしょう。また高機能自閉症というタイプもあり、これは主にIQが70を超える場合(知的障害と認められない程度の障害)につけられることが多いようですが、厳密に定義されているわけではありません。また、IQ70があったとしても、自閉症の多くに見られる過度の知的障害が見られないという意味であって、同じ学年の子どもと同じように勉強をこなすことは難しいとも言われています。この点でLD(学習障害児童)と混同されやすくなってきますが、LD児童は中枢神経系の機能障害が原因とされている一方で、広汎性発達障害(自閉症)は先天的なタンパク質が脳に影響を与えることが原因と言われており、自閉症の合併症としてLD(学習障害)やADHD(注意欠陥・多動性)となる可能性はありますが、LDとは全く別物と医学的に認識されているので注意しましょう。

自閉症の特徴

自閉症の大きな特徴として、周囲とのコミュニケーションがうまく取れない、言葉の発達が遅い、興味を持つ対象や行動などが極端に限られているなどが挙げられます。相手の表情から感情を読み取ることを苦手としている自閉症は、怒られても表情を変えずにいたり、母親が呼んでも全く反応しない子どももいると言われています。また言葉が妙に遅いというのも初期症状としてあるようです。言葉に感情がなかったり、相手の言葉をそのままオウム返しするなども多く見られると言われています。また言葉の感情を補うために身振りを加えたり、表情を作ることも困難と言われます。また、自分のものや行動に異常な関心を示すこともあります。自分で決めた道しか決して通らない、自分の決めた場所が散らかっていることが嫌で必ず整頓し、同じ状態にするこだわりを見せることもあるようです。
自閉症自体がまず8つにも渡る分野に分かれ、更に子どもによっても特徴が全く違うので一概にこの症例があるので広汎性発達障害とは言えないのが難しいところでしょう。

 

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